YURIE

アウトドアクリエイター

すばらしい体験を予感させる玄関口

インターを降りて、しばらく車を走らせると《ヴィソン》の鉄製の看板が。経年変化が鉄本来の表情をみせてくれているよう。自然に溶けこむその姿は、施設のコンセプトを物語っている。この先にどんな体験が待っているのだろうか。期待がわたしの気持ちを高揚させる。

山の上にポツンと佇む、木造平屋の建物

200mの高低差がある敷地を車で登っていく。すると目を引く美しい木造平屋の建物が。温浴施設”本草湯”で提供する薬湯を研究製造する施設、本草研究所。その横にあるのが、カフェやお買い物もできるショップRINNE。運転の疲れを癒すため、ここで一服しよう。

穏やかな陽が差しこむスロウな空間

建物内は天井の高さが開放的で、自然光たっぷりの気持ちの良い豊かな空間。外の景色を眺めながらゆっくりとお茶を愉しむことができる。洗練された設えによるものなのか、静寂のせいか、時間の流れがとてもゆっくりと感じる。

心地いいハーブの香りで、ととのえる

今回は車中泊の旅。ホテルのチェックインはないので、セルフでウェルカムドリンク。ハーブティー3種の飲み比べ。右から、《草縁（くさのゆかり）》、《摘花（つみはな）》、《枝扇（えだおうぎ）》。 味、香りはもちろんのこと、色味も異なるので視覚でも楽しめる。

新鮮でカラフルな野菜が並ぶ、賑やかなマルシェ

産直市場マルシェ ヴィソンで買い物。聞くとここはパリのマルシェをイメージしたのだそう。お肉、魚、野菜、フルールなど周辺地域の新鮮な食材が調達できる。近場でキャンプをしてから帰る予定なので、じっくりと吟味。

キャンプをしない人も楽しめる幅広い品揃え

アウトドアギアや雑貨がずらりと並ぶ2階建ての店内。Outdoor.LifestyleをテーマとしたOrange VISONで買い物。ソトアソビ好きなわたしにとっては夢の空間。見ているだけでも楽しくて、何時間でもいてしまいそう。

愛好家垂涎のヴィンテージコレクション

一階フロアにはヴィンテージランタンのコレクションも。レトロな風合い、カラーリングがたまらない。見たことのない貴重な古いモデルが飾られていて、博物館のよう。コールマンファンならずとも、一見の価値あり。

木々を眺められる場所に自分だけの秘密基地を

暗くなる前に車中泊の受け付けをすませよう。”本草湯”のフロントに車中泊利用の旨を伝え、1泊1台3000円を支払う。決められたスペース内であれば、好きな場所に停められる。今日はここを宿泊地とする。

こだわりの薬草クラフトコーラを片手に外気浴

車旅の醍醐味のひとつ、お風呂。本草湯は5日毎、1年で72種類の異なる薬湯を提供する。ゆっくりと浸かって、運転の疲れをリセット。湯上がりには縁側で“みりんと薬草のクラフトコーラ”を。奥深くもすっきりと爽やかな味わい。火照った身体をクールダウン。

伝統的な薪焼きで仕上げる肉料理

竜吟虎嘯 薪場でお待ちかねのディナー。宿泊代を節約したので贅沢にヒレステーキを注文。お店中央の焼き台で丁寧に薪火と炭火で調理をしてくれる。お肉の焼ける香ばしい香りがたまらない。中はジューシーであっという間に完食。

木の香りに包まれながらウッドクラフト体験

翌日は“木と森の体験施設 kiond”でワークショップ。カッティングボード作りに挑戦。壁一面に正方形の棚が配置されていて、DIY好きのわたしにはとてもワクワクする空間。白の丸い掛け時計も素敵だなぁ。

無心でモノづくり、瞑想にも似た特別な時間

クルミやヒノキなど好みの樹種を実際に触って選ぶことができる。悩んだ末、わたしはサクラに。鳥のカタチのデザイン、うまくできるかな。スタッフの方が工具の使い方を丁寧に教えてくれるので、初心者でも安心して作ることができる。所要時間は1.5hほど。

世界に一つだけ、カタチに残す旅の思い出

完成したカッティングボードを使って、車中で軽食。パティシエ辻口氏の手がけるベーカリーMariage de Farineのパンと牛乳。想像通りの出来栄えに大満足。使う度に旅の情景がよみがえる。